水琴ブログ

聖フランチェスコ大聖堂水琴窟「こころ」完成3周年記念ツアー開催

聖フランチェスコ大聖堂水琴窟「こころ」完成3周年記念ツアーが2006.9.1-9.8開催されました。9月1日、関空を出発。アッシジへは9月3日に到着し平和の祈り大会前夜祭に参加し、翌日4日、開会式典に出席した後、聖フランチェスコ大聖堂の水琴窟へ。ご一行の松田様ら、松岡様らと一緒に1年間のごみを清掃。玉石を一個づつ綺麗に洗い水琴窟の中も水を入れ替え掃除しました。2005年4月に私がメンテナンスに訪問した際にデザイン変更したつくばいは、大きくなったオリーブの木に馴染み、この場所に定着してきたようでした。


9月5日、早朝8時過ぎに大聖堂の院長コリ様、同平神父様らが大聖堂の中庭にある水琴窟へいらっしゃいました。日本から駆けつけた宝積老師とコリ院長が水琴窟へ平和の祈りと共にワインを注ぎ、ついで大橋、松田様、松岡様と平和の祈りを込めてワインを注ぐとその音は天高く鳴り響きました。今回ツアーご一行の手で綺麗になったつくばいは、喜んでいるようにどこか輝いて見えました。
仏教者のシンポジウムで宝積老師は、東西交流の結果水琴窟が大聖堂に出来たこと、アジアの宗教者として水滴の尊さと人間の尊厳を伝えたい、宗教を超えた教えがフランチェスコにはあったことなどを御話されました。シンポジウムが終わって再び会場の人達と水琴窟へ行くと、宝積先生の誘導もあって10数人が水琴窟の見学へいらっしゃり各国の宗教者が水琴窟の音を体験されました。神秘的な音にそれぞれ驚き楽しんでおられました。宗教家の方々には、その深遠さが理解されたのではないでしょうか。貧しいのは私の語学力です。言語の壁はその感動を伝えることが出来なくとても残念に思いました。墓地であったこの聖なる場所は、現在大聖堂の神父様たちの間では「日本の泉」と呼ばれていると聞きました。「日本の平和の泉」と呼ばれる日もそう遠くはなさそうです。それから、フランチェスコにいわれのある場所の観光を済ませてホテルで待つと仏教者の祈りへ参加する時間となりました。カンボジアから来られた僧侶がお経を唱え、続いて天台宗が声明を唱えました。最後に約50人の参加者全員で般若心経を唱え祈りは終了。
世界の宗教者はそれぞれの場所でそれぞれの祈りを終え、中央にあるコモーネ広場へ集結し大聖堂へ全員で行進しました。行進に参加できたことに深く感動しメイン会場へ。約1万人が集まった大聖堂前の式典では、世界中の平和を祈る人々が情熱的なスピーチを行い、各宗教者の代表者がローソクへ灯をともして終了。終了後の晩餐会へはイタリア大統領も参加され精神社会への社会的関心は、日本でもWCRP世界大会へ小泉首相が参加したことなどからも非常に高いことを実感しました。式典直後に宝積老師の誘導でコリ院長と笑顔で握手することができ、これからも水琴窟を大切に維持していってくれる事を約束していただいたことは大きな収穫でした。その日の夜行バスでローマへ移動し、翌日の法王接見に備えました。
9月6日、バチカンのサンピエトロ寺院へ一行は向かいました。30,000人以上の接見者の中、一番近い段上の席に通され、宝積老師の後ろで待つこと2時間、法王はオープンカーで登場しました。接見者の間を回遊し歓声に応え段上へ上がり約1時間半のセレモニーを進め私たちの仏教者の前へとやってきました。天台座主代理と話をし、宝積老師と話をし、なんと幸運なことに私と握手をしてくれました。女性のようなやわらかい手で壊れてしまいそうな繊細さを感じました。
 カトリックの門が開かれてから数十年、そして水琴窟が大聖堂の中心に据付けられてから3年が経ちました。水琴窟は優しい音を奏で続け今回その心は天上まで届いたのではないだろうか、などと夢のような事に思いをはせることが出来ました。この後、バチカンの諸宗教対話省次官へ山王神社様から預かった抹茶茶碗を託け、私たちはツアーを終えました。
 3年前、大聖堂の聖なる中庭に水琴窟を納めさせていただき、平和のシンボルとして水琴窟の音を使って頂きたいという数年来の私の願いはかなえられたかのように思えました。しかし、ようやくこのツアーを終えてその精神は音に乗って波紋のように広がり始めたように感じます。今回一緒に玉石を洗った謙虚な心の絆、フランチェスコの精神で水は綺麗になり、水琴窟は未来へと歌い始めました。内なる美しさ、それが水琴窟の本質です。全く違った美しさを持つものでも美しいものは共鳴します。そして永遠へとつながっていくのではないでしょうか。時期を見てこの発表の場を設けたいと思います。そしてまた広がった水滴の輪を共に実感出来ればと思います。ありがとうございました。

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